東大生と一般家庭の子どもの習い事ランキングを掲載しました。TOP3の顔ぶれは一般家庭と変わりませんが、習い事をしていた割合が非常に高いことがわかります。特に、スイミングやピアノといった習い事は、脳科学の観点から学力の向上を助けるのではないかと考えられています。
日本で1番入学するのが難しいと言われる東京大学。
この大学に通う学生たちは、子ども時代にどのような教育を受けてきたのか気になりますよね。
一般的な家庭と、東大生の子どもを育て上げる家庭には一体どんな違いがあるのか。
今回は「習い事」という視点から深堀りしていきたいと思います。
幼少期や小中学生の頃、東大生たちがどんな習い事に通っていたのか、ここで一緒に見ていきましょう。
まずは比較するために、一般家庭の子どもが通っている習い事のランキングを覗いてみます。
ミキハウス子育て総研が行った調査を参考に、以下のグラフを作成しました。
このように見てみると、スイミングが断トツで人気の習い事だということが分かります。
約35%の子どもがスイミングを習っているようです。
また、2位と3位には18%前後で英語・英会話、そして、ピアノが続いています。
どちらも昔から定番の習い事ですが、英語・英会話に関しては、小学校で英語を習い始める学年が下がった影響もあるでしょう。
続いて、東京大学に通う学生たちが子どもの頃に通っていた習い事のランキングを見てみましょう。
こちらのグラフは、東大家庭教師友の会が出版している『頭のいい子が育つ習い事』を参考に作成しています。
なんと、順位に違いはあれど、トップ3の顔ぶれは一般家庭の子どもがしている習い事と同じになりました。
両方のアンケート結果で同じように1位だったスイミングですが、圧倒的な違いは習っている子どもの割合。
一般家庭では約3割の子どもがスイミングを習っているのに対し、東大生の場合はその6~7割が子ども時代に習っていたようです。
東大生に馴染みのある習い事ということは、スイミングが子どもに何かしらポジティブな影響を与えるような気がしますよね。
実は、体力や筋力のUPといった身体面だけでないメリットがあるのです。
2つに絞って見ていきましょう。
スイミングの継続によって、空間認知能力と集中力がUPすると言われています。
空間認知能力とは「物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力」のこと(Wikipediaを参考)。
この力が高まることで、スポーツはもちろん、算数・数学の図形問題が得意になるようです。
難関校の入試では難しい図形問題がよく出題されるので、空間認知能力を高めている人は有利になるということでしょう。
また、もう1つのメリットである集中力UPは少し意外かもしれません。
陸上にいる場合とは違って、正しいフォームで動き続けなければ沈んでしまうのが水中です。
「スイミングを習っていたから高い集中力が身についた」と口にする東大生は多いみたいですよ。
東大生の習い事ランキングでピアノが2位でしたが、これは非常に興味深い結果と言えるでしょう。
なぜなら、東大生の男女比率を見ると、毎年新しく入学する学生の約8割が男子だからです。
ピアノと言えば一般的に「女子に人気の習い事」というイメージがあり、ピアノを習っている男子は、ご自身の子ども時代を振り返ってみても、クラスに1人いるかいないかだったのではないでしょうか?
東大生の半数以上がピアノを習った経験があるというのは、きっと学力の高さと関係がないとは言い切れないはずです。
ホンマでっかTVに出演する脳科学者の澤口俊之先生は、過去に「習い事をさせるならピアノがいい」と発言されました。
澤口先生によると、ピアノを習うことには次のようなメリットがあります。
脳に対してこれだけの効果をもたらすのは、ピアノの特性にあるそうです。
両手を駆使しながら、楽譜を一時的に記憶して弾いたり、ときには、これから弾く楽譜を先読みしたり…。
ほかの習い事にはない複雑な手の動きや脳の活動が、脳機能の発達に大きく寄与しているのですね。
このように、ピアノを継続して習うことは、学力をはじめとする様々な能力の向上に良い影響を与えるでしょう。